2016年12月7日水曜日

2016 瀬戸内温泉調査クルーズ報告


2016瀬戸内温泉調査クルーズ報告

 

キャンキャン78の松下です。先日、温泉クルーズ部長のこやんち(山本氏)と東瀬戸内海の温泉探索をしてきましたので報告します。

 

1.アートの島「直島」

平成28113日 06:20ケンチョピアローソン前桟橋を出発する。

晴れ、風速20ノット、上げ潮にのって7.5ノットで北上する。

08:00鳴門大橋通過、最大北流9.4ノットに艇速7ノットを加えた16.4ノットをレイマリンの速度計がSOGとして表示したのを確認した。キャンキャンの最高速度だ。キャンキャンのエンジンはヤンマー4JH50馬力だから最強潮流時に通過したが、2気筒エンジンの船は転流前後にした方が安心だろう。

12:00小豆島内海沖、北よりの風26ノット吹いてるが、前からの潮で5.5ノットとあまり船足が伸びていない。

15:00直島宮浦港に到着、2号桟橋の右側が海の駅の係留場所に指定されている。フェリー乗り場の売店へ係留手続きにいくと、予約が2隻入っているという、しかし一隻は明日に変更連絡が入っていたのでキャンキャンの係留はOKとなった。やっぱり予約はしておく方がいいよね!もう一隻は広島のヨット「きねきね」らしい、16:00IMX41が入ってきた。週末の島精機カップに回航途中と云う。早朝和歌山向け出港していった。

 直島は瀬戸内芸術祭のメインの島なのでフェリーは満員、高速船もひっきりなしに発着している。 

こやんちは直島が初めてだ、お目当ての温泉は港から一つ通りを入った奥にある、「あいらぶ湯」という銭湯だ。ここの銭湯はアートで有名である、銭湯の前にはいつも観光客が写真を撮っていて、銭湯の親父さんが整理しながら土産のタオルを売っている。何せアートだから直ぐに分かるはずだ。

アーティスト大竹伸朗が手がける実際に入浴できる美術施設なのだ。番台から浴槽、風呂絵、トイレの陶器までアートに浸ってほしい。そして湯に入りながら、左の金髪のオージーには「アーユーフロム?」、右の黒髪のアジアンには「ニーハオ」と挨拶したらもう世界は平和だ。

ゆったり温まったあと隣の魚料理や「島食DOみやんだ」に入る。

店名がややこしいのはアートだから仕方がない。すでに満員状態である。

定食を注文するが時間が掛かりそうだ、待つ人のためかギャラリーが併設されているが僕たちのお腹は満たしてくれなかった。

 

焼き魚定食はそれなりに美味しくいただき、もう一度店内を見渡すと何か雰囲気が違う、話し声に違和感がある、日本人は僕とこやんちの二人しか居ないようだ。日本の孤島も国際的になったものだ。この違和感を楽しもうと隣のテーブルの二人ずれ女子に声をかけるとタイワニーの留学生で瀬戸内の島巡りをしているという。短い時間であったがヨットに招待して船内を見てもらい、日本台湾の交流に少しは貢献できたと思う。

 

2.船に開かれた島「弓削島」

弓削島は今回初めての訪問になる。瀬戸内海は何度も往復し度々クルージングにもきているが、中間点になるのか通過してしまうことが多かったのだ。

平成28年11月4日07:30直島宮浦港出発。追い潮に乗って8ノットで瀬戸大橋を目指す。

08:40瀬戸大橋を通過する。微風の燧灘を機帆走で横断する。

13:20弓削島の海の駅桟橋に到着する。兵庫船籍の2隻のヨットが係留されていた。九州からの帰りらしい。桟橋前の役場にはUWの信号旗が掲げられている。役場で係留の申込書を書いて料金は132円であった。陸電のポスト利用も含まれていた。

全国知事会で徳島県知事は全国に自慢したい徳島の風景として県庁前のヨットイルミネーションを紹介したニュースが雑誌に載っていたが、自慢するなら弓削島ぐらいポンツーン整備しなければいけないことを自覚して頂きたい。

愚痴はともかく、ヨットから折りたたみバイク1号、2号を出動させる。

クルージングにはテンダーと自転車があれば楽しさ倍増になるのでおすすめする。

周辺を一回りして、店じまいしそうなカフェに入り情報収集すると、船乗りに優しいママさんが温泉施設「フェスパ弓削島」に送ってくれるという。コーヒーとお土産に塩羊羹を買ってお言葉に甘えることにした。

「フェスパ弓削島」は高台にあって自転車では一汗かかずには無理な場所だった。しかし高台からの見晴らしはすばらしく、眼下には小さな入り江と船溜まりにヨットのマストも見える。温泉施設も清潔で露天風呂からも瀬戸内の絶景が眺望でき、こやんちお薦めの温泉の一つとなった。

施設の車で桟橋まで送ってくれて入浴料600円は嬉しい限りであった。

夕食はフェリー乗り場のマーケットに隣接の居酒屋で煮魚を肴に乾杯して弓削島の夜は静かに暮れていった。

 

 

3.北木島経由宇野港海の駅

北木島は最近ヨット乗りにとってはよく耳にする島だ。マリン業界でグングン知名度を上げている「ゆうこうマリン」の設立地でロフトがある。こやんちが北木島に美味しいラーメン屋があるというので、お昼に北木島らーめんを食べてから宇野港に向かうことにする。

平成28年11月5日08:45弓削島海の駅桟橋を出発。

鞆の浦と仙酔島を左舷に見ながら燧灘の北側を進むと、白石島と北木島が連なって進路に見えてくる。白石島と北木島の海峡の外れに北木島豊浦港がある。

11:45豊浦港に入港、浮き桟橋を避けて正面の岸壁に係留する。スペースは十分ある。

豊浦は石の町である。石材加工の職人さんの昼ご飯としてラーメン屋さんが多いのかもしれない。その有名らーめんの一つが豊浦港の「大福らーめん」である。岸壁の外れに石材置き場とお店がある。お薦めは「ラー茶セット」800円である。スープは鶏ガラだしで豚骨とはひと味変わった旨みがある。ラーメン好きの人は賞味する必要あり。

12:45豊浦港出港

13:50下津井瀬戸を通過し水島工業地帯を東進する。

15:30宇野港海の駅到着、午前中に宇野港海の駅に電話予約してあったので安心して係留できるはずであった。しかしキャンキャンのクルーズにはハプニングは憑きものだ。

宇野港の防波堤を回り込むとき、左舷に巡視艇の船影が見えていたが、係留作業中に近づいてきた。ライフジャケットは着用して下さいとスピーカで警告され、了解と手で合図するが、ライジャケを手に掲げて見せて下さいといわれる。係留作業中は飛行機の着陸態勢と同じで一番忙しい時間帯である。巡視艇の諸君はそんなことには無頓着に要求してくる。ミジップの舫いを確認してライジャケを見せると巡視艇は離れていった。ライジャケ着用の義務化が進んでいるが、そんなことは船長判断に任せてほしい。自己の安全に関しては自己責任を中心に考えないとシーマンシップは高まらないだろう。

宇野港は宇高連絡船の発着港として賑わっていたが、その面影はない。列車の操車場跡が海の駅として活用されようとしていた。その一つとして「玉ノ湯」がある。

温泉部長のこやんちと港周辺を一回りして、早速玉ノ湯に入りに行く。入浴料は1700円、浴場は内湯から露天風呂各種、サウナ、塩蒸し等あり、湯上がり後は休憩室に座敷タイプとテレビ付きリクライニングシートタイプの部屋があり充実している。レストランも併設されているので鯛飯御膳と生ビールで乾杯だ。こやんちの評価が高かったのは、マッサージが予約でき、丁寧だったようだ。女性のマッサージ師に当たったのでご満悦であった。

鉄道の連絡船はなくなったが、高松へのフェリーは健在であり、最近は直島への観光客向けのフェリーと高速船が賑わう様になっている。海の駅の桟橋は結構遅くまで高速船の引き波が入り静穏性は少し低かった。

 

4.小鳴門海峡

平成28年11月6日08:35 宇野港出港

10:15 小豆島沖通過、高松沖を早めに本船航路を横切り鳴門海峡に進路を合わせる。

北よりの風が吹き上がって25ノットを超えてくる。

13:30 風速が収まらず、大鳴門海峡方面は波が悪そうなので小鳴門を通過することにする。

北泊沖から小鳴門海峡入口にアプローチするときは北泊まりの赤灯台を目標にして、東岸に近すぎないように注意する。入口付近は北風の時は三角波が立つのでオートパイロットをマニュアルにして航路の真ん中を侵入していく。小鳴門に入れば行き会い船に気をつければ快調に通過できる。後は岡崎の出口の赤灯台の右側を通過して孫崎の磯を大回りに右に回頭して南下する。里浦沖のわかめ網をかわしたらフリーの風に乗ってセーリングだ。

こやんちが焼きそばとゆで卵を作ってくれて、ほっこりするともう吉野川沖ブイを通過した。

15:30 徳島ケンチョピアに帰港。

 

三泊四日のミニクルージングであったが、4カ所に寄港、3カ所の温泉を皆さんに紹介できたので、温泉部長の「こやんち」も満足して貰えたと思う。

では皆さんもどしどしクルーズ報告をアップして下さいね。